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Written byぺいじゅん
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スカイウォーカーとの別れ

スカイウォーカーとの別れ

スカイウォーカーとの別れ

スターウォーズとはどんな作品だろうか。

 

 

世界的な知名度は言うに及ばず、多くの人が楽しめる娯楽作品である。しかしそれとは全く異なるスターウォーズの一面がある。それは歴史上最大規模のカルト(狂信的)ムービーであること。

 

3大陸を股にかけて600時間を超えるインタビューや議論などの映像素材を基に作られたドキュメント映画「ピープルvsジョージルーカス」が世界中で劇場公開されていることからも分かる通り、ディープなファンがそこかしこに大量にいる。それぞれにこだわりが強く、「世界的に有名な二次創作」や、「ファンが映画自体を編集し直した作品」も存在するほどである。

 

 

これは、そんなスターウォーズに翻弄され続けながらも人生を生きてきて気づいた、僕の作品の見方の話です。

 

 

昭和天皇の崩御とバブル崩壊を間近に控えた1988年に生まれた僕は、たまごっち、ポケモン、ドラゴンボール、スラムダンク、コナン、金田一、ワンピース、ハンターハンターなどを当たり前のように摂取しながらたくましく成長していった。

ついでにスレイヤーズや爆れつハンターやエヴァンゲリオンや破壊魔定光やおねがいティーチャーなども見ていたのだが、周囲では誰も見ていなかった。自分だけがエッチだったりグロテスクな面白アニメを見ていることが恥ずかしく、ひっそりと楽しんでいた。

 

 

そんな少年時代に、自宅で父親に見せられた「スターウォーズ エピソードⅣ / 新たなる希望」に衝撃を受けた。VHSかレーザーディスクだったと思う。

 

 

同時期に見ていたターミネーター1,2やランボー、インディージョーンズやジュラシックパークなども楽しんで見ていたのだが、スターウォーズは刺さり具合が別格だった。友情、冒険、光る剣での闘い、謎の用語や唐突に説明されるプロローグに大団円、今まで見てきた作品に惹かれた要素をありったけぶち込んだような映画だった。

 

 

あまりの興奮に続け様に見た「エピソードⅤ / 帝国の逆襲」にさらに度肝を抜かれることになる。裏切り、友の喪失、巨悪との闘い、そして明かされる衝撃の事実からの、前作とは打って変わって何とも言えない切なさをはらんだエンディング。

ぺいじゅん少年の心を鷲掴みにした本作はそのままオールタイムベスト入りとなった。物語の最終章となるエピソードⅥは公開時から再編集された特別編を劇場に観に行き、初めてスクリーンで見るスターウォーズに大興奮した。

 

 

そんなぺいじゅん少年はライトセーバーのおもちゃ(振ったり物に当たるとちゃんとエフェクト音が鳴る)を自宅で振り回したり、Nintendo64のソフト「帝国の影」をプレイしながら成長していった。もちろん待望のプリクエル(前日譚)が描かれるエピソードⅠ,Ⅱ,Ⅲは全て劇場で鑑賞した。内容には触れないが、「スターウォーズの新作が、若かりしアナキンの冒険(※1)が映画館で見られた!!」と言う事実にこれまた大興奮して劇場を後にした。

 

(※1)

エピソードⅣ〜Ⅵ(オリジナルトリロジー)はルーク・スカイウォーカー

エピソードⅠ〜Ⅲ(プリクエルトリロジー)はアナキン・スカイウォーカーの物語。

アナキンはエピソードⅣ〜Ⅵにも登場する。

当時購入したエピソードⅢパンフレット

 

 

新作映画をやり切ると言ったのにいつまでも完結しないエヴァンゲリオンや、ベルセルクの続きがなかなか出ないことや、こち亀が完結したことに一喜一憂した。音楽にのめり込んでバンド活動に生活の大半を注いだりした。こんな状態で、僕は将来どうやって生きていくのかなんて微塵も考えていなかった。

 

家族や親族と色々話をして、結果として僕は1企業の正社員として社会人になった。社会人になってからもバンドは続けていたし深夜アニメや新作映画もチェックし、飲み会には積極的に参加して何となく楽しく過ごしていた。意外と何とかなっていた。

 

 

そんな折に「スターウォーズ新作映画(エピソードⅦ,Ⅷ,Ⅸのシークエルトリロジー)制作決定」のニュースが飛び込んできた。色々な意見があったが、僕は手放しで喜べなかった。

 

 

既存作品のエピソードⅠ〜Ⅵは、完全に完結していたものだったからだ。ロッキーはアポロにリベンジできるのか期待されたから2が制作されたのだし、闘いを終えたノリコとカズミは人類が生き残っている地球に帰ってこれて完結したから良かったのだ。(トップをねらえ!の2作目は別視点からの平行的な物語なのでセーフ)

 

 

倒すべき巨悪がいなくなったスカイウォーカーたちの闘いの輪廻は閉じているはずであり、スターウォーズ=スカイウォーカーの物語だった。

 

 

ぐちぐち言っててもエピソード7予告編最後のハンソロとチューイがミレニアムファルコンのコックピットで「We are home」って言うとこはしっかり泣きそうになってしまったんだけどさ…ずるいよ…。

 

【 映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』特報第2弾 】

当時見た予告編

 

実際エピソードⅦが公開されてみれば、数々の新キャラクターがメインとなって話を動かし、旧来のファンへの目配せ的なファンサービスも多分に含まれており、瞬間風速的にはとても良いものとして受け止められた。問題はこの物語もまたトリロジー(3部作)である点だ。果たして最後まで面白く良いものになるのか不安だった。

 

 

次作のエピソードⅧでは挑戦的にもさまざまな要素を捨てて、スターウォーズの世界を再構築していくような内容だった。エピソードⅦから立て続けに「家族」「英雄」そしてスターウォーズのアイコンでもある「ライトセーバー」を捨てるという衝撃的な流れである。ちなみに映画としては全然面白くなかった。面白くないにしても意欲的であり、真の完結編であるはずのエピソードⅨはどうなるのか気になった。

 

 

そしてエピソードⅨを見た。忘れもしない日本晴れの日に南町田で見た。スターウォーズと言えばタイトルがデーン!と出てメインテーマをバックに、テキストによるプロローグが流れるオープニングクロールが有名だ。その1文目で卒倒しそうになった。

 

 

今更ネタバレもクソも無いと思うので言ってしまうが、エピソードⅥで主人公ルークとその父アナキンの闘いによって倒された皇帝パルパティーンが復活したというものだった。

 

 

ちょっと待てと。

 

 

そもそもエピソードⅣ時点で巨悪として銀河を支配していた皇帝パルパティーンに、小規模ながらしかしダメージをしっかり与える戦いを繰り返して遂にエピソードⅥで本丸に辿り着き、打倒した。その最終決戦での勝利はかつて父が持っていた「ジェダイ騎士としての矜持」をルークが示し、心を打たれたヴェイダーがジェダイ騎士アナキンとしての心を取り戻したからに他ならない。後付けだがプリクエルで道を誤ったアナキンの姿が描かれて以降の鑑賞では更に深みを増してくる名シーンである。

 

皇帝パルパティーンとは、3つの映画(プリクエル)をかけて自らの成り上がりと支配を完成させた巨悪であり、3つの映画(オリジナルトリロジー)をかけて、やっと打倒した相手だ。主人公であるアナキンスカイウォーカーとルークスカイウォーカーにとってまさしく宿命の相手である。それを復活させるとはどういうことだ。ドラゴンボールじゃねえんだぞ。

 

 

前述の通り、僕の中でスカイウォーカーの物語は終わっていたし、スターウォーズ側としてもそうでいて欲しかった。新作をやるのであればメインの話を動かすのは新キャラクターたちで、あくまで旧作のキャラクターはバイプレイヤーでいて欲しかった。もうネタバレも全開で行ってるが、だからこそエピソードⅦでハンソロ殺したんちゃうんか。エピソードⅧで親子二代で使ってたライトセーバー捨てたんちゃうんか。なんだ最後タトゥイーンのルークの旧家にライトセーバーを埋めるって。そこめっちゃ嫌な思い出がある場所だぞ。「2つの太陽を眺めてあのテーマが流れて感動的」をやりたい欲がスクリーンから出過ぎててめちゃくちゃ気持ち悪かったぞ。

 

あのテーマ【 John Williams – Finale (From “Star Wars: The Rise of Skywalker”/Audio Only) 】

 

 

色々言ってるが、仮にこのプロットだとしても新三部作全体で一貫した作りになって筋が通っていればここまで文句は言わなかったかもしれない。とにかく物作りとしての体制がガタガタだったとしか思えない。

 

同人作るならちゃんとやってほしいだけなんだ。スターウォーズの生みの親であるルーカスの排斥や、エピソード間での方向性の転換の失敗など、嫌なニュースや実際の成果物の出来から感じる違和感が多すぎた。ルーカスがこんなに二次創作を許しているのに、IDを奪い取った公式(ディズニー)からはリスペクトを感じられなかった。

 

 

これらの顛末について、興味があれば以下の記事を読んでいただきたい。

 

 

「ファン目線」がもたらした「スター・ウォーズ」の終焉、「ファンへの理解」の正体

https://jp.ign.com/star-wars-episode-ix/41289/feature/

 

最初からこのリンクだけ貼っとけば良かったのではとかそういう話ではない。

 

 

さて、エピソードⅧを見たことによって僕とスターウォーズは決定的な仲違いをしたかに思えたが、全然そんなことはなかった。PSstoreでセールになっていたゲーム「ジェダイ:フォールンオーダー」をプレイしたらこれはとても面白かった。僕、凄い簡単な客でしたよ?

理由としては、本作はスターウォーズという題材のみを用いて自由に作られたもので、そこにスカイウォーカーの匂いはほぼしなかったというのが大きい。(最後にサプライズがあるが、ゲームのラストアクションにふさわしい内容で筋も通っていたのでOK)

 

 

まぁスターウォーズの方がどう言ってるかは知らんが?こういうわけで僕の方から今は良い距離感を保てているように思う。見ようと思えばドラマシリーズのマンダロリアンやオビワンケノービ、アニメのクローンウォーズシリーズも見れるが、全く見ていない。今はこれくらいで良い。

 

つまるところ僕がスターウォーズにもとめていたのは、友情、冒険、光る剣での闘い、謎の用語や唐突に説明されるプロローグ、裏切り、友の喪失、巨悪との闘い、そして明かされる衝撃の事実などがあっての大団円であり、スカイウォーカーの伝説ではなかった。これは自分が様々な物語や実生活上での人とのコミュニケーションがあったから自覚することが出来たし、言えるようになったことだ。

 

 

どんな生き方をしてきて、何をインプットして、そこに何を感じたのかは千差万別人それぞれだ。多様な人と、酒を飲みながらこんなような話をしている時に、しみじみと思う。あ~スターウォーズ見てきて良かった~!と。

 

ぺいじゅん

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