
ゲンロン戦記

ゲンロン戦記
人間って日々たくさんのことを「選択」してるけど、たいてい自分の興味の範疇でしかそれをしない。
僕が紙の雑誌を好むのは、偶然に出会えるから。「BRUTUS」のようなカルチャー誌を読むと様々な広告や特集が勝手に目に飛び込んできて、新たな価値観に出会える。
でもその偶然ですらも「BRUTUS」という雑誌を選んだ時点でとても限定的な偶然となっているはず。
だから人からプレゼントされたり提案されたりすることはまったく自分の予期せぬ角度から物事が降ってくることになる。
弊社のしもむらという者から珍しく提案されて借りた「ゲンロン戦記」という本がある。
東浩紀という批評家・哲学者さんの経営奮闘記である。
僕はいろいろな分野に触れることが好きでYouTubeでもなんでも果敢にサーフィンしていくほうだけど、この方は知らなかったし、批評家という言葉も知らなかったし哲学を生業とする方のことは一人として知らなかった、そういえば。
かくして新たな分野との出会いとなったわけで、本を読んだあと気になったのでYouTubeを検索すると東浩紀さんはかなりヒット、有名人なのですね。
そして共演してる人も普段気にしなかった人たちで、茂木健一郎(脳科学者)、三浦瑠璃(国際政治学者)、政治家、果ては安倍晋三前総理大臣のスピーチまで拝聴するに至った。
その内容や思ったことを綴ると日が暮れるので割愛するけれど、とにかく新たな出会いがもたらされた。
「ゲンロン戦記」について語るのかと思いきや、この本との出会いによってもたらされた現象についての説明コラムでした。笑
「ゲンロン戦記」について気になった方はAmazonまたは書店へ。東浩紀社長が株式会社ゲンロンを経営していく中でのなかなかの波瀾万丈記です、【出版×カフェ×オンライン】あたりがキーワードです。
余談ですが、少し前に弊社の1号店「割烹DISCO 大蔵」のコロナ危機におけるクラウドファンディングの返礼にて、
「アキラ福袋」
という商品を用意しました。
10000円だったのですが、
「新しいライフスタイルをナナメ下からご提案」
というコンセプトにて一人一人別のアイテムを発送。
冒頭で申し上げた原理、自分の予期する範疇外からの提案、を意図的に創り出すリターンでした。
Surprisingなことって
ワクワクドキドキって
人間にとって大切ですよね。
セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。 また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。
この言葉かなぁ。
せっかくなので「ゲンロン戦記」から一節だけ引用を。
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あらゆる文化は「観客」なしには存在できません。そして良質の観客なしには育ちません。
壇上で踊る人間だけが文化を創ってるわけじゃない。
壇の下=客席で踊りを見ているひとも一緒になって文化を創っているのです。
客席に座り続けるひとを育てていくというのも教育の大きな役割です。
ほんとうはむかしは出版社もそういうことをやってきたのだと思います。小説であれば、作家を育てるだけでなく、読者を育ててきた。文芸誌も読者とともに育ってきた。
けれどもいまの出版社は、売れる作家をどこかから探してきて、一発当てることしか考えてないように感じます。
読者=観客を育てるという発想を、出版人は忘れてしまったのではないでしょうか。
—— ——
これこそ、当ウェブマガジンを立ち上げた所以だろうなぁ。
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