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Written by下村拓也
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バー シーガーディアンII

バー シーガーディアンII

バー シーガーディアンII

先日、妻も私も神奈川県に用があったので、旅行もいけないこんなご時世だしついでに横浜のホテルにでも泊まるかということになりました。

突発でなんとなくで決めた小旅行。前々日に予約サイトを見ているとお城のようなホテルを発見。かっこいい。。。特に妻は洋館だったり、お城みたいな家具とか好きで、ホテルの部屋って正直どこもそう変わり映えしないよねなんて話していたところだし、これはいい部屋を見つけた。しかも割引入ってる。。。

ということで私たちが宿泊したのがホテルニューグランド。

何のことはない、約100年の歴史を持つクラシックホテルであり、私が無知なだけで、まさに横浜のシンボル。

ラウンジを歩くだけで自分が映画の主人公になったような気分になれる。

なんて美しい。。。

ラスボス?

 

 

 

エントランスから素晴らしいおもてなしでお部屋までご案内いただき、エレベーター、ラウンジ、お部屋、すべて事細かに説明をしてくれる。この人わたしのこと王様と勘違いしてる?一流の振る舞いにこちらが緊張してしまう。(あとこの方がたいそう美人だったので本当に緊張した。)部屋の内装、そして展望の美しさが私の思考を「へやからでたくねえ」で染めてしまい、何のために横浜まで来たのかと、中華街すぐそこだけどいかなくていいの?と今これを書いている私が突っ込んでいる。(実際に中華街は徒歩2分くらいなのだが、行かなかった。行けなかった。)

横浜の海と船から連想されるネイビーカラーで統一されたレストランも、すばらしい料理とサービス、そんで本当に海と船が目の前。そして夜景。わしゃ大人かい。

 

眼下に船が見えるレストラン

お昼の眺めも素晴らしかったです

 

 

 

しかし今日の本題は、ホテル併設のBAR シーガーディアンⅡ

 

前述のとおり、直前でなんとなく調べて見つけたこのホテルに泊まることにしたので全然下調べもなく、ホテルの部屋に着いてから、部屋で飲む用のお酒を買いだしに行った酒屋さんで、「ニューグランドならシーガーディアン行ったほうがいいですよ」と熱いプッシュを受け、やっと調べた。

ん、、、、これは格式高いBARのようですね。私はホテルに泊まったらBARに行きたい派なのでこれはがぜん楽しみ!

 

ん、、、、、、、、、

 

 

 

何か気になる。

横浜 BAR シーガーディアン

 

 

 

 

私はここまで来てもさっぱり気づいてなかった。

 

 

 

 

 

 

皆さんはサザンオールスターズというバンドをご存じでしょうか。

とってもいいバンドなので、もしご存じないよっていう方は是非一度聴いてみてくださいね。

そのサザンオールスターズのナンバーに「LOVE AFFAIR 〜秘密のデート」という、名曲があります。この曲は横浜での恋愛(不倫)を歌った曲で、歌詞の中に大黒ふ頭とか、横浜のスポットがいくつか出てきます。その中のひとつに「シーガーディアン」。

 

 

 

ああー、ここが、あの歌詞に出てくる、、、

 

 

 

 

気づくのおっそ!!!

 

 

サザンオールスターズ大好きを公言しておきながら、なんならLOVE AFFAIRは私的にJPOPのTOP5に数えているほどなのに…(ほかには波乗りジョニーなどがランクインする)

 

 

 

 

さあ行こう。

普段着ないジャケットにスラックスできていてよかった。ピンクのセットアップ。襟付きのシャツも着ている。実際のところのドレスコードは「短パン、サンダルNG」くらいだったけど、このBARにキメてる自分で入店できてよかった。あ、BAR入店のハードルを上げたくはないので、意外とみんなカジュアルな格好でいらしてましたよと付け加えます。でもかっこいい店に入るときにかっこいい恰好で行きたい気持ちもわかるよね!

普段ジャケット着る機会もないし。

 

 

 

 

 

 

 

緊張して入店。テーブル席が多くて、ゆったり過ごすこともできそうですが、ここはカウンター一択。バーテンダーさんとお話しできるかもしれない!シェイクが目の前で見られる!うきうき気分だ。

注文したのはカクテル「ヨコハマ」。なぜならシェイクが観られるカクテルが良かったから。やっぱり間近で観るシェイクは一種のエンタメよね。

世界的なカクテルではあるけれども、せっかくなら横浜で飲みたいこのカクテルは美しい夕焼けのようなオレンジ。オレンジジュースとグレナデンが少しだけ甘く、ほんのり苦い。口当たりは優しくて、香りの余韻が長く続く。長い。この色を見て、横浜と名付けた人凄いセンスだな。もしくは横浜をイメージしたカクテルを作ろうと思ったときに、この色が浮かんだのか?どちらにせよ、見て、飲めばこれが横浜か、と。実は普段BARでカクテルを飲むことがないので、他のBARもしくはバーテンダーさんとどう違う、ということが記せないのですが、シチュエーションも混みで深い余韻が心地よい。

 

さて、二杯目と行きたいところでしたが、時短営業の都合もありこの日は一杯だけ。

(ちなみに妻は別件で遅れての合流でした)

テーブル席もたくさんありました

 

 

 

 

 

気を取り直して翌日!チェックアウトが12時!BARのオープンは14時!妻に「どうしてもシーガーディアンに行きたい」と駄々をこね(いや実際は冷静にね、話しましたけどね、妻も優しいですからね)チェックアウト後もホテル内や近隣を散策するにとどめ、BARオープンを待ち、いざ再挑戦!

 

 

 

「昨晩はありがとうございました」

入店早々ダンディーなおじさまに声を掛けられる。え、昨日30分もいなかった、1杯しか飲んでない私を覚えてるの?しかもこの方は昨日カウンターに立っていた方ではない…でも確かにいらっしゃたけど。覚えてくれてる。一流か。

 

この日一杯目は、妻がマティーニ、私がマティーニ・ニューグランド

マティーニ・ニューグランドは、終戦直後のドライベルモットがなかなか手に入らなかったときに、当時にバーテンダーが代わりにシェリーを使ったものが好評で生まれたレシピとのこと。

妻は以前出演した舞台でマティーニを飲むシーンがあり、それから初めて行くBARではマティーニを頼んで味の違いを楽しんでいる。

なのでいきなりマティーニ。実際は二人でシェアして味比べ。

カウンター席の特権でカクテル作るのを目の前で見られる!おお、、、ステア(お酒をマドラーで混ぜること)がめちゃくちゃゆっくりだ。多分今あなたが想像している、さらに半分くらいのスピード(ちがったらごめん)。20回ほどまわすのに30秒くらい。これほど遅いステアは見たことがない。聞けばシーガーディアン内で生まれた、理論に沿った手法だそうで、アルコールの角が取れたカクテルになるとのこと。たしかに口当たりが圧倒的にまろやか!マティーニなんてめちゃくちゃ強い、アルコール度数35度以上のカクテルなのに柔らかい。強いカクテルを飲んだ時特有のアタックのキツさがまるでない。なんなら甘く感じる。ドライマティーニで、実際にドライなのに。これは新しい体験だ。美味い。下手したらすいすい飲めてしまう。アルコール度数35度以上なのに。一瞬で無くなってしまってはもったいない。いつも以上にゆっくり飲まなければ。

そしてマティーニ・ニューグランドは、より甘く感じる!いや甘いお酒入ってないのに。そんでドライだから実際は甘くないのに。使うお酒が変わることで味が変わるのが当然とはいえ、全くの別物ではなくあくまでもマティーニの範疇の中で。入口の、ドアの重さがごく微妙に軽いから、マティーニなのに安らぎの印象が深まったような。

 

私の二杯目は、ヨコハマElegance

シーガーディアンに通っていた俳優 藤竜也さんの「横浜はエレガントな街」という一言をきっかけにチーフバーテンダーが創作したカクテル。と公式ページに書かれている。シャンパン、ウォッカ、ローズシロップ、パルフェタムール、ミスティアのカクテル。バラは横浜市の花、パルフェの色は「藤」色。シャンパンをグラスに注ぎ、それ以外をシェイクしグラスに合わせる。デンファレの花びらを飾り完成。ここでシェイクの仕方に違和感を感じたが、そうか、シェイカーの持ち方が逆なんだ。一般的な持ち方だとキャップ側を手前に持つが、シーガーディアンでは逆向き。聞けば昔のシェイカーは今ほど精密でなかったため一般的な持ち方をしたときにお客様側に水滴が飛んでしまうことがあったそうで逆向きに持ったことが理由だとか。その方法を守り続けることで伝統的な味を守り続けるという姿勢を感じる。見た目は美しいヴァイオレット。味は、まさにエレガント。甘いリキュールを使っているが量は少なくくどい甘さではない、だがシャンパンの炭酸がスミレやバラの香りをふわりと持ち上げてくれる。花束みたい。

 

 

妻はバンブーをオーダー。フィノシェリーベースのスカッとしたカクテル。ヨコハマなどと違い、こちらは甘みがほとんどなく大人の味…という感じ。フィノシェリー独特の香りを強く残しつつ、辛口に分類されるところだろうがシェイクすることで優しい飲み口になる。これはゆっくり飲むのが正解だ。妻曰く、日本酒の古酒のように深みの中にわずかな甘みを感じるとのこと。

バーテンダーさんは一杯ごとにそのカクテルのエピソードだったり、お店やホテルの歴史についてお話してくれる。とてもお話が上手な方だ。お店全体の状況把握も完璧。若く見えるけどすごく鍛錬されているんだろうな。もちろんその技術に嫌味も感じさせない。妻と二人で座っていてもなんとなく自然と3人で、そのうち隣の席の方も混ざって、、、あぁ知らない方との一期一会。BARで飲む醍醐味だ。

 

最後に、せっかくなのでウイスキーも飲もうということでサントリーのリミテッドラベルである、THE ESSENCE of SUNTORY WHISKYをオーダー。2021年ボトルで「麦」とラベルに書かれた、ピートの香りが前面に押し出されたウイスキー。注いでる時からわかるほどのピート香!パンチあるな!ああ~やっぱBARのカウンターでゆっくり飲むウイスキーは最高。初めての店では飲みなれた銘柄を頼むことが多いけど、今日はもうお店を信頼しきっちゃってるからね。あまり得意ではないピート強めを飲んじゃった。これにボンボンショコラを合わせる。期間限定で15種類のフレーバーショコラがラインナップされていたのでどれにしようかと迷っていたところ後ろから「絶対昆布がいいですよ」と。先ほど入口でお声がけいただいたダンディーなスタッフの方から。こちらの方、チーフバーテンダーさんでした。。。どうりで漂うベテラン感。。。そして、昆布???昆布フレーバーのボンボンショコラ???じゃあそれにしますとこの間0.5秒。旨!!!!!!!!!!うわー昆布の旨味とチョコレート最高のマッチだ!旨味×旨味。200倍。和の香りにジャパニーズウイスキーを合わせる。合うよ。そりゃ合う。

 

 

というわけで2人で5杯とボンボンショコラで、え、こんなに安いの!?ってくらいでした。なんとテーブルチャージなし。しかもホテル宿泊客は10%OFF。(そのほかの館内レストランも宿泊者10%OFFでした。)いやもちろん私のようなものが毎日通えるような金額ではないけど、全然目玉が飛び出るような金額ではないのでご安心を。

 

 

 

消費者は体験にお金を出すといわれて久しいけれども、いやあいい体験をした。酔うだけなら缶ビールでいいし、妻と酒を飲むなら鳥貴族でいいもんね。(私と妻はしょっちゅう鳥貴族に二人で行く)大満足。そして私がサザンオールスターズのファンかどうかは全く関係なく楽しんでしまった。

横浜、みなとみらい方面にお越しの際はぜひ寄ってみてください。サンダル短パンだけNGなのでそこだけご注意を。(あとカード使えました。)

 

目閉じちゃった

また目閉じてる

 

 

 

 

 

 

余談ですが、以前このマガジンで紹介されていたこちらのお店の姉妹店がホテルの近所にあります。

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