
北九州の旅と『雲のうえ』35号

北九州の旅と『雲のうえ』35号
北九州市が無料配布している『雲のうえ』というフリーペーパーがある。
北九州の情報誌ではあるが、毎号の切り口が面白く、写真や絵・文なども素敵なので
市内外にファンが多い。
それもそのはず、制作に携わっている人たちは第一線で活躍されている人ばかり。
私も製作陣の中に友人がおり、第1号から愛読させてもらっているが、
ひょんなことから35号のテーマ「北九州家のいただきます。ごちそうさま。」
(市内在住の家庭料理特集)の取材に一部、同行させてもらうことになった。
というのも、私は生まれが母の実家である北九州市で、母の友人宅が今号の取材先のひとつに決まったからだ。
その昔、会社員時代、主に紙媒体の編集を生業としていたことがあったので久しぶりの現場にワクワク(私は何もしません..)
しかも普段は仲の良い友人として遊んでいるけれど、一線で活躍する彼らの仕事っぷりを垣間見ることができる絶好の機会。
そして私にとっては2019年3月以来の北九州上陸。祖父母のお墓参りも行かれるとあってもうご褒美旅行(なんの??)の気分で
いざ北九州へ。
最初に向かった先はかつて日本一の石炭積出港として栄えた若松区。
15年以上はこのエリアに足を踏み入れていなかったせいか
知らない街を訪れたような新鮮な気分。取材まで時間があったので付近をぶらぶら歩いてみる。
洞海湾を望むベンチでフーテンの寅さんのごとくひと息つくのは、本誌の顔といっても過言ではない、牧野伊三夫画伯。
牧野画伯といえば、POPEYEでの連載や最近では洋服ブランドYAECAによる洋菓子店『サヴール』の包装紙なども手掛けておられる方。ただいま白金のOFSギャラリーにて個展も開催されています。(5月8日 日曜日まで)
彼の著作の美味しいものばかりが出てくるエッセイは絵と共に楽しむことができて私も大好き。
今回ご一緒させていただくのが楽しみだった人でもあった。
取材がうまく行くことを願って近くの厳島神社で手を合わせて、
取材の始まり始まり〜
築 100年を越す古民家の友人宅が1軒目。
この日のカメラマンは、長野陽一さん。
彼が撮る料理写真を見たら、
食べ物本来の味が舌にそのまま伝わってくるような気分になってしまう。
いつか自分のプロフィール写真もお願いしたいと目論んでいる御方でもある。
私はもっぱら出来上がった料理をパクパクいただく係。
ああなんという至福の時!
続いて2軒目は母の古くからの友人で、
私も幼い頃からかわいがって頂いているお宅。
またまた美味しい手料理に舌鼓を打つだけの私に対して、
取材班はしっかり仕事中。
撮影中の指示を迷いもなく進めるアートディレクター、
有山達也さんと皆さんの連携がスムーズで、
とんとん拍子に取材は進み、
これまた楽しみにしていた夜の小倉へ。
小倉の夜を堪能するのは生まれて初めて。
なぜならお酒がかっらきし呑めない母と共に過ごすことが多かったから。
事前に友人からオススメしてもらっていた角打ちで労いの瓶ビール。
生まれた街で楽しい人生の先輩たちと過ごせることも嬉しかったし、
次に行った焼き鳥店のつくねがこれまた美味で、
(写真は映えていないのですが..)
いつも以上にお酒が進んだのは言うまでもありません..
翌日、朝早くに祖父母の家があった門司港へ。
駅のホームに降り立ったとたん、得も言われぬ郷愁の念が込み上げてきて涙しそうに。
私のいちばん好きな駅のホームは間違いなくここ。
関門海峡をしばし眺めて、、
あっという間の滞在でしたが、
忘れられない素敵な思い出ができた旅となりました。
制作陣の皆様には、
ただただ食い・呑み道楽の私を同行させてくださって感謝しかありません。
こんな特別な旅のチャンスはなかなかないですが、
今度はDJでまた色々な場所を訪れたいという気持ちが大きくなりました。
追記
『雲のうえ』35号は都内でも青山ブックセンター、
ジュンク堂本店、ヴィレッジヴァンガード、
古書店などでもお手に取ることができます。
無料ですので、
ぜひ本誌内にて北九州の魅力を味わう旅にお出かけください。